イノリが玄関に立ち竦んでいるとリビングからフウが飛び出して来た。
「……おかえりしゃい」
フウはイノリの足にしがみつく。
「おかえり〜イノリ。夕飯は俺っちが作ったよ♪温めるから待ってて」
2階から降りて来たケンは立ち竦むイノリに歩み寄った。
「イノリ?早く着替えてきなよ」
「美月は?何でいねぇの?」
「は?何言ってんだよ、キヨはまだ病院に…」
ケンがイノリを見ると、イノリは静かに涙を流していた。
掛けてあげる言葉が見つからないケンをよそに、フウがイノリの体をポンポンと叩き始めた。
「……。いいこね。いにょり、いいこ」
“ねぐしぇ”じゃなく“いにょり(いのり)”と呟いたフウ。
イノリは小さなフウを力いっぱい抱きしめた。
「…“カゼ”…美月を連れて行かないで…」
「まーたメソメソしやがって。キヨはすぐ泣く」
「…イノリ!」
目の前に立っていたのはイノリ。
その先を見ると、もうケン達の姿はなかった。
「……おかえりしゃい」
フウはイノリの足にしがみつく。
「おかえり〜イノリ。夕飯は俺っちが作ったよ♪温めるから待ってて」
2階から降りて来たケンは立ち竦むイノリに歩み寄った。
「イノリ?早く着替えてきなよ」
「美月は?何でいねぇの?」
「は?何言ってんだよ、キヨはまだ病院に…」
ケンがイノリを見ると、イノリは静かに涙を流していた。
掛けてあげる言葉が見つからないケンをよそに、フウがイノリの体をポンポンと叩き始めた。
「……。いいこね。いにょり、いいこ」
“ねぐしぇ”じゃなく“いにょり(いのり)”と呟いたフウ。
イノリは小さなフウを力いっぱい抱きしめた。
「…“カゼ”…美月を連れて行かないで…」
「まーたメソメソしやがって。キヨはすぐ泣く」
「…イノリ!」
目の前に立っていたのはイノリ。
その先を見ると、もうケン達の姿はなかった。

