華月がイノリの子どもではないとわかった地点でイノリに伝えなかったのは、何故なのかはわからない。



キヨとイノリを幸せにしたくなかったからなのか

イノリがあんなに悩んでると思わなかったからなのか。



それでも、キヨとイノリが華月を恨む事はなかった。








イノリ。

遠回りしたとしても、私はずっと待ってるから。



どんなに遅くなってもいい。




色んな人を愛して
色んな人に愛されて

人生が終わる間際でもいい。




一番最後でいいから
私の隣りに戻ってきてね。





その時がもう随分年の取ったおじいちゃんおばあちゃんになっていたとしても


イノリが『ただいま』って戻ってきてくれた時はちゃんと

『おかえり』って言うから…。








「ただいま、キヨ」

「イノリ、おかえりなさい」






その言葉が聞けるのは


沢山の出来事を乗り越えて
やっと素直に向き合えた




7年後の22歳の時。