続・祈りのいらない世界で

カゼは私の事を“ただ”の幼なじみとして扱わない。


ちゃんと女の子として見てくれてる。




「…イノリもカゼみたいだったらなぁ…」



キヨが苦笑いすると、廊下から大きな笑い声が聞こえてきた。

声のする方を見ると、そこには学ランを着崩したガラの悪い男子生徒が5人歩いていた。




「あれ〜?もう下校時間だよ?彼氏でも待ってんの?」

「君、何年生?」



男子生徒達はキヨの周りに集まると、キヨに声を掛ける。




「彼氏なんていません。2年生です」



キヨがそう答えると、1人の男がキヨの腕を引っ張った。




「1人じゃ危ないよ、送っていってあげる」

「ぎゃはは!!コイツに送らせたらヤられちゃうよ?逆に危ねぇ」



ヤられるの意味がわからないキヨが首を傾げると、男達はジリジリとキヨに寄ってきた。


中学生なのに何だか煙草臭い男達。




「……あの?」

「大丈夫。俺ら経験豊富だから心配しないで」

「経験?…ですか」




キヨが頭にいっぱいクエスチョンマークを浮かべていると、いきなり腕を引っ張られた。