薄暗くなった学校に戻ると、部活を終えた学生が部室で楽しそうに話している声が聞こえてきた。
好きな人がまだ部活しているからなんてイノリに嘘をついたけど、そんな人いない。
強がって、意地張って、つい嘘をついたけど
その嘘は虚しさを増させた。
イノリ以外の誰かを好きになれたら、どんなにラクなんだろう。
でもそれが出来ないからこんなにも辛い。
「………キヨ?」
キヨが俯きながら下駄箱の前に座っていると、名前を呼ばれた。
目の前にいたのは部活を終えたばかりのカゼ。
「………イノリは?一緒に帰ったんじゃないの?」
「カゼ…」
「………泣いてるの?イノリと喧嘩でもした?」
キヨが首を振ると、カゼはキヨの隣りに腰を降ろした。
「カゼは好きな人出来た?」
「………出来てないよ」
「でもカゼはモテるから、そのうち彼女出来ちゃうんだろうな…」
キヨが溜め息をつくと、カゼはスパイクについた泥を剥がしながら呟いた。
「………キヨが俺と付き合えば?」
「はぁ!?何言ってんの、カゼ」
「………俺はキヨなら喜んで付き合うよ」
いきなりのカゼの言葉にキヨが戸惑っていると、カゼはフッと微笑んだ。
「………ってイノリに言われたかったんだろ?」
「え?」
カゼに心を見透かされた気がしてキヨは恥ずかしくなった。
「………大丈夫。イノリは誰とも付き合わない」
「何でわかるの?」
「………勘?」
カゼはキヨの頭を撫でると立ち上がった。
「………着替えてくるから待ってて」
「私、先帰るからゆっくり着替えていいよ?」
「………キヨを1人で帰すワケない」
カゼはそう言うとノソノソと部室へと向かった。
好きな人がまだ部活しているからなんてイノリに嘘をついたけど、そんな人いない。
強がって、意地張って、つい嘘をついたけど
その嘘は虚しさを増させた。
イノリ以外の誰かを好きになれたら、どんなにラクなんだろう。
でもそれが出来ないからこんなにも辛い。
「………キヨ?」
キヨが俯きながら下駄箱の前に座っていると、名前を呼ばれた。
目の前にいたのは部活を終えたばかりのカゼ。
「………イノリは?一緒に帰ったんじゃないの?」
「カゼ…」
「………泣いてるの?イノリと喧嘩でもした?」
キヨが首を振ると、カゼはキヨの隣りに腰を降ろした。
「カゼは好きな人出来た?」
「………出来てないよ」
「でもカゼはモテるから、そのうち彼女出来ちゃうんだろうな…」
キヨが溜め息をつくと、カゼはスパイクについた泥を剥がしながら呟いた。
「………キヨが俺と付き合えば?」
「はぁ!?何言ってんの、カゼ」
「………俺はキヨなら喜んで付き合うよ」
いきなりのカゼの言葉にキヨが戸惑っていると、カゼはフッと微笑んだ。
「………ってイノリに言われたかったんだろ?」
「え?」
カゼに心を見透かされた気がしてキヨは恥ずかしくなった。
「………大丈夫。イノリは誰とも付き合わない」
「何でわかるの?」
「………勘?」
カゼはキヨの頭を撫でると立ち上がった。
「………着替えてくるから待ってて」
「私、先帰るからゆっくり着替えていいよ?」
「………キヨを1人で帰すワケない」
カゼはそう言うとノソノソと部室へと向かった。

