ふと教室の中が暗くなってきた事に気付いたキヨが時計を見ると、部活終了時刻になっていた。
キヨは荷物を纏めると、バスケ部の部室へと向かった。
「イノリ〜終わった?」
キヨがノックもせずに部室に入ると、イノリが一人の女の子の頬を触っていた。
女の子は泣いている。
いつも自分が泣くと優しく涙を拭ってくれるイノリの手が他の子の涙を拭っている。
キヨが荷物を落とすと、イノリと女の子はキヨの方を振り向く。
女の子はキヨを見ると、部室から走り去っていった。
「何だよ、いきなり入ってくんな。びっくりすんだろ」
「…そうね。私が来なかったら女の子とあんな事やそんな事出来たもんね」
「は?俺は別にそんな事するつもりなんか毛頭ねぇよ」
「嘘!だって…涙拭いてあげてたもん!!いつもっ…私にしてくれるように…あの子にもしてたもん!!」
キヨはイノリを睨み付ける。
そんなキヨを見たイノリは溜め息をつきながら呟いた。
「あれは俺があいつのチョコ断ってんのに、しつこく絡みついてくるから振り払ったら目に手が当たったんだよ。だから謝ってただけだ。
……それに俺が誰と何しようが、キヨには関係ねぇだろ」
イノリがそう言うと、キヨはイノリに綺麗にラッピングされた小さな箱を投げつけた。
「いってぇな!!何だよ!!」
「嫌がらせ!!」
キヨはそう言うと部室を出て、一人で学校から出て行った。
イノリはキヨが投げ、床に落ちた箱を見る。
箱からはハート型のチョコレートが飛び出していた。
「…だから、こういう可愛い事すんなって言ってんだ。バカが」
イノリはひっくり返っているチョコレートの後ろに書かれた文字を見て、微笑んでいた。
キヨとカンナはチョコレートの裏側に『だいすき』と書いていたのだった。
イノリは急いで着替えると自転車に乗り、キヨの後を追いかけた。
「待てよキヨ!ほら、乗れって」
「いい!1人で帰る!!」
キヨはイノリを見る事なく、歩き続ける。
キヨは荷物を纏めると、バスケ部の部室へと向かった。
「イノリ〜終わった?」
キヨがノックもせずに部室に入ると、イノリが一人の女の子の頬を触っていた。
女の子は泣いている。
いつも自分が泣くと優しく涙を拭ってくれるイノリの手が他の子の涙を拭っている。
キヨが荷物を落とすと、イノリと女の子はキヨの方を振り向く。
女の子はキヨを見ると、部室から走り去っていった。
「何だよ、いきなり入ってくんな。びっくりすんだろ」
「…そうね。私が来なかったら女の子とあんな事やそんな事出来たもんね」
「は?俺は別にそんな事するつもりなんか毛頭ねぇよ」
「嘘!だって…涙拭いてあげてたもん!!いつもっ…私にしてくれるように…あの子にもしてたもん!!」
キヨはイノリを睨み付ける。
そんなキヨを見たイノリは溜め息をつきながら呟いた。
「あれは俺があいつのチョコ断ってんのに、しつこく絡みついてくるから振り払ったら目に手が当たったんだよ。だから謝ってただけだ。
……それに俺が誰と何しようが、キヨには関係ねぇだろ」
イノリがそう言うと、キヨはイノリに綺麗にラッピングされた小さな箱を投げつけた。
「いってぇな!!何だよ!!」
「嫌がらせ!!」
キヨはそう言うと部室を出て、一人で学校から出て行った。
イノリはキヨが投げ、床に落ちた箱を見る。
箱からはハート型のチョコレートが飛び出していた。
「…だから、こういう可愛い事すんなって言ってんだ。バカが」
イノリはひっくり返っているチョコレートの後ろに書かれた文字を見て、微笑んでいた。
キヨとカンナはチョコレートの裏側に『だいすき』と書いていたのだった。
イノリは急いで着替えると自転車に乗り、キヨの後を追いかけた。
「待てよキヨ!ほら、乗れって」
「いい!1人で帰る!!」
キヨはイノリを見る事なく、歩き続ける。

