続・祈りのいらない世界で

「もうカゼの胃袋は人間の域を越えてるね」

「本当よ。カゼ、糖尿病になるわよ?」

「今に始まった事じゃねぇから手遅れだろ」

「てかカゼを見てるだけで満腹になる!吐きそう…」



4人が呆れながら見ている間も、カゼは黙々と八ツ橋を食べ続けている。




「ところで、結局帰りはどこ行くの?」

「だからゲーセンだって」

「カラオケだろ?」

「私は早く家に帰って寝たいわ」



中々意見が纏まらない4人が騒いでいると、カゼがぽつりと呟いた。




「………じゃあ間を取って試食コーナーにしよう」

「何の間だよ!!」



結局意見が一致しなかった彼らは散々言い争った後、騒ぎ疲れたのかいつの間にか眠っていた。



その後、地元に着いた5人は何処にも寄らず家に帰り、すぐに寝たらしい。



そんな幕の下ろし方をした高校の修学旅行。