嵐は近くにあった不動産屋に入り良いマンションを探していた。



人相の悪い従業員が嵐にマンションを紹介していたのだが、少し気になることがあるようだ。


「お客さん、マンションを紹介すれば即日入居は出来るが金は有るんですか?敷金・礼金払えるだけのお金を。」


そう言い従業員は嵐を睨み付けた。


だが、嵐は全く動じずに財布から金を出す。


「ポケットマネーで200万なら払える。銀行でおろせば、これの10倍はあるが?」


嵐は机の上に「バンっ!」と音が出るほど200万の束を強く叩きつけた。


従業員もそのお金を見てビックリした。


従業員は200万の束を見てからは人が変わったかのように急に親身になって物件を紹介してきた。



金持ちには態度が変わるなんて言うのはどの世界にも有ることだが、少し腹が立つ。




しばらく悩んだ末にこの町の駅の周辺にあるマンションの一室を借りる事にした。



駅の近くだから交通の便が良く、近くにカジノやパチンコ屋に雀荘といったギャンブル施設やコンビニやスーパーがあるのが選んだ理由だ。



早速、従業員にそのマンションに連れていってもらった。






「ここです。駅も近くてお店もたくさんあるので便利が良いですよ。マンションも新築したばかりなのでとても綺麗です。」


従業員の説明通り、ここは良いところだった。


駅の近くだがそんなにうるさくない。

そしてマンションも新築したばかりなのが素人目でも分かる。



「うん。良い家だ。ここに決めるよ。」


俺はマンションを少し見ただけですぐに借りる事を決定した。




高級マンションだが、家賃は博打で勝った金で払えば良い。


そんなの前にいた世界でもやっていたことだ。



俺はそんな事より、この世界の世界観がいまいち分からない。



駅周辺の施設を見る限りギャンブルが盛んなのは見て分かるが、この世界のギャンブルとは一体どういった物なのだろう。


前にいた世界みたいにパチンコなら1玉4円、スロットならコイン1枚20円と最大レートが法律によって決まっているのか、それとも希望さえすればもっと高いレートのギャンブルが出来るのだろうか?



何にせよ、俺はこの世界に来たばかりだ。


焦らずに町を探索して、金を稼ぐ場所を見つけて、大金を得てやる。



多分大金を得るのは簡単だろう。



この町からはレートの高いギャンブルの臭いがするから。



この町から俺の『生きる為の勝負』が始まる。