アレから1週間が経った。

アレからと言うのは澪が嵐の家に住むようになってからだ。


嵐はこの1週間、澪と家事の分担をどうするか考えていた。


家事ごときでイチイチ考えるなと言われそうだが、誰だって不得意な事をするのは嫌だろう。


澪が何が得意で何が不得意かを嵐は1週間一緒に生活していて気付いた。



「…と言う訳でだ。家事の役割分担を考えたぞ。」

そう言い、嵐は役割分担を書いた紙を澪に見せた。


その紙には月曜から日曜まで洗濯・料理・ゴミ出し全てが澪となっていた。

「なー!これ全部あたしじゃん!嵐さん家事全くしてないじゃないですか。」

そう突っ込む澪に対して嵐は澪から目を逸らして言う。

「俺、家事は苦手なんだよ…。」



「料理なんて毎日作る必要ないでしょーに!」

嵐の言葉を無視し澪が怒る。

「毎日コンビニ弁当ばかりじゃ体に悪いだろ。」

「じゃあ2日に1回で。」

「それならOKだ。」


嵐が作った役割分担はこうしてあっさり変えられた。



しかし、澪には料理の才能がある。

料理の味付けも良いし、作れるメニューの数なんかとても多い。

さすが元大手旅館会社の娘だ。




澪が来てから色々とラク出来ているし、澪とは上手くやれているみたいだ。


部屋も二つあるからお互いのプライバシーには触れないで済むし悪いことは何も無かった。


だが、俺は澪のとんでも無い欠点に気付くことになる。