殺戮都市~バベル~

「でも、俺はまだキミの本気を見ていない。俺を恐怖させてくれよ」


そんなの、どうすれば良いんだよ……黒井より俺の方が恐怖しているよ。


南軍最強というのは伊達じゃないな。


こんな、お互いに何の得もない戦い、早く終わらせたいのに……黒井はそうは思ってないのか。


「こんな戦いになんの意味があるんですか。俺は死ねないんですよ!仲間を助ける為に!」


「だったら、俺を倒さないとねぇ。キミが死ぬのが先か、俺が恐怖するのが先か、理不尽な選択を迫られる事なんて世の中には沢山あるだろう?これもその一つだよ」


なるほど……良くわかったよ。


つまり、黒井を恐怖させる事が出来れば、終わりに出来るんだな?


いつまでもこんな事をしている暇なんてないんだ。


呼吸を一つ、トンッと地面を蹴って黒井に近付いて……俺は微かな違和感に気付いた。


黒井の視線が……俺が移動する前にいた場所を見ている。


「は?」


驚いたように俺の顔を見るけど……驚いたのは俺の方だ。


ほんの一瞬。


だけど大きな一瞬。


ランスとソードブレイカーの内側に飛び込んだ俺は、何が何だかわからないまま日本刀を振り下ろした。