「えっ、プレゼント選びって…誰の?」
「瀬ノ内君の妹さん…。5月5日が誕生日らしくて、どんなプレゼントを贈ればいいか悩んでるみたいで。買い物に付き合うことになったんだ…。」
「アイツ、伊織ちゃんにそんなこと頼んだの!?」
「うん。女子目線の意見が欲しいみたい…。話せる女子が私しかいないって言われて…。」
「ふーん…。」
柏木君は意味深な笑みを浮かべる。
「陽希のヤツ、前に女子も恋愛も一切興味ないとか言ってたの、あれ嘘か。」
「は、はい?」
意味が分からず瞬きを繰り返していると、柏木君はフッと笑った。
「俺、陽希とは幼なじみなんだけど、アイツが妹の誕生日にプレゼントを準備してるの見たことないよ。」
「でも、それって…単に柏木君に話してなかっただけで、実際は用意してたとか…。」
「いや、それはないと思うよ。妹の誕生日は親がケーキやプレゼントを買ってきて家族で祝う…って、前に陽希が言ってたから。」
そう、なの…?


