「そうだ!昨日…陽希と一緒に兄貴のカフェに行ったんだよな?フレンチトーストどうだった?」


「すごく美味しかった…!!生地は外側がカリッとしていて、中はフワフワで、口に入れると…とろけるような甘さが広がって……」


……って、私は何を熱く語ってるんだ。


ついつい大好きな食べ物の話となると、はしゃいでしまう。


冷静になろう…と、コホンと咳払いをした。


「あ、あの……今まで食べたフレンチトーストの中で一番の美味しさでした。また、機会があったら行こうと思います。」


淡々と感想を話す。


そんな私を見た柏木君は、吹き出すように笑った。


「伊織ちゃん、面白いな。」


「どっ、どこが…?」


「今、雰囲気をガラッと変えたじゃん?声の温度差がありすぎ。」


「それは、あまりにもテンションが上がり過ぎてたから抑えようと思って…。柏木君だって、そういうの…不快でしょ?」


別に細かい感想とか求めてなかっただろう。


それなのに、私としたことが…。


はしゃいだりして、恥ずかしい。