どこかに穴があったら入りたい…。


恥ずかし過ぎる…。


「なあ、伊織。」


「はい…。」


きっと、この後…“ギャップ有りすぎだろ”とか瀬ノ内君に言われて笑われるんだ…。


「もし良ければさ、あの時のお礼に…このフレンチトースト奢らせてよ。」


「へ…?」


予想とは違う反応に素っ頓狂な声が零れた。


「こんなんじゃ足りねぇとは思うけど、何かしたいから…。」


「い、いいですよ…お礼なんて。お腹だって特に空いてるわけじゃありませ……」


断ろうとしてるタイミングで、グゥーッと鳴り響く私のお腹。


慌ててお腹を押さえたけれど、後の祭り。


瀬ノ内君も柏木君も笑みを零した。


「伊織、本当はお腹…空いてるんだな。」


「今の音…なかなか大きかった。」


顔から火が吹き出そう…。


もう帰りたい。


私は、瀬ノ内君に掴まれてる腕を少し引っ張った。