「私、陽希が大好き…。この先、素直になれない時があるかもしれない。思ってることと裏腹なこと言って不快にさせちゃう時もあるかもしれない…。そ、それから…女の子にモテる陽希を見て、“私なんて…”って卑屈になることも、あるかもしれない。」
突然、話し始めた私に柔らかな眼差しを向けてくれる陽希。
私は、シッカリと目を見つめながら言葉を続けた。
「こ、こんな身勝手な私だけど…ずっとずっと陽希の傍に居させて下さいっ…。」
初めて恋した一番大切な人に、今…伝えたかった素直な気持ち。
鼓動が一気に速くなる。
耳を傾けていた陽希は、私の頭を撫でると、優しい笑みを浮かべた。
「全然、身勝手なんかじゃねぇよ。ずっと傍に居たいのは俺も同じ…。由依は、誰よりも愛しくて、大切な存在だから…。」
「陽希……」
嬉しい気持ち、幸せな気持ち。
心の中から溢れて、体中を駆け巡る。
目頭を熱くさせていると、陽希は私の手をとって、左手の薬指に温かいキスを落とした。
「俺は、お前がいいんだよ。」
*終わり*