「あ、いや……大したことじゃないの。ちょっと、他の席で陽希の話をしてる人たちの声が偶然…聞こえてきただけ。やっぱり…陽希と付き合う女の子に対するイメージのハードルが高いなぁ…と思って。」
「…そっか。」
「周りのイメージなんて気にしないのが一番だって頭では分かっていても、心では気にしちゃうんだ…。なかなか、難しいね…。」
苦笑いする私を陽希は真っ直ぐ見つめた。
「俺の中で、由依に勝てる女は…いない。誰が何と言おうと、俺の彼女は由依以外…考えられねぇから。」
ついさっきまで、モヤモヤしてた気持ちがスーッと消えていく。
陽希の言葉は、私を…たちまち安心させてくれる特効薬みたい。
「ありがとう…。陽希のおかげで、心が温かくなった。」
「また、不安を感じる時があったら遠慮なく言えよ?」
「うん…。」
頷く私に微笑んだ陽希は、忙しそうに別のテーブル席のオーダーを取りに行ってしまった。


