「ごめんね、キャンプファイヤー…出れなくなっちゃった…。」
「別にいいよ。由依が参加してないなら、俺も楽しめないし。」
肩に掛けているタオルで髪を拭く陽希。
ジッと見ていると、先ほどまで保健室の先生が座っていた丸イスに腰かけた。
「ところで、由依…。」
「何?」
私の手の上に陽希は自分の手を重ねる。
「“悪いのは私だから”って、どういうこと?」
「えっ…?」
「さっき、そう言ってただろ?由依は何も悪くねぇのに、なんで…あんな風に言ったのか、引っかかってたから…。」
そっか…。
陽希は優しいから、私の何気なく発してしまった言葉にも敏感に反応してくれるんだ…。
真っ直ぐ見つめる陽希に、私は口を開いた。
「じ、実は…ついこの前の日曜日に、街で栗山さんに偶然会ったの。私が彼女だと陽希に迷惑だから、キャンプまでに別れるように言われた。」
「…あの女、そんなこと言ったのか。」
低い声が響く。
陽希は眉をしかめた。


