「止むを得ないな。今回だけは特別に許す。」
「陽希は伊織ちゃんのことになると全力で嫉妬するよな。」
「…当たり前だろ。由依は俺の大切な女なんだから。」
ニンマリ笑う柏木君に、照れくさそうに答える陽希。
そんな二人の姿を見ていたら、自然と涙が零れた。
「陽希、それに柏木君…。来てくれて、ありがとう…。」
感謝の気持ちを伝えると、陽希は私の涙を拭う。
「礼なんか、いらねぇよ。由依を守るのは当然のことだから。」
「俺は陽希と伊織ちゃんの仲を守りたかったから、自分に出来ることをしただけ。伊織ちゃんにお礼を言ってもらえるほどのことは、してないよ…。」
二人は、とても優しい…。
だからこそ、罪悪感でいっぱいになる。
栗山さんとのこと、私が一人で何とかしようとしなければ、こんなに迷惑掛けなかったのに。
私は静かに唇を噛みしめた。


