俺は、お前がいいんだよ。


「相変わらず冷たい言葉ぶつけるよね、瀬ノ内君は。もう少し優しくなれないの?それから、人のプライベートを勝手に探るなんて、悪趣味じゃない?」


腕を組んだ栗山さんが陽希を睨みつけた、その時…。




「……ごめんね。君を調査したのは陽希じゃなくて、俺だよ。」


不意に聞こえてきた声。


視線を向けた私は目を見開いた。


「か、柏木君…!?」


駆けつけてくれた時の陽希同様、荒い呼吸を繰り返す姿に、ただただ私は驚くばかり。


栗山さんも少しビックリしている表情だ。


「へぇ…、柏木君は私に好感を持ってくれてるように思ってたんだけどなぁ…。」


「その方が、色々と動きやすいと思ったからね。おかげで、栗山さんがどんな女の子なのか、ハッキリ分かって良かったよ。」


「柏木君って、結構…演技上手なんだね。」


「まあ、栗山さんには勝てないけどね…。」


目には見えない、ピリピリした空気が漂う。


陽希と柏木君に冷たい視線をぶつけられた栗山さんは、クスッと鼻で笑った。