俺は、お前がいいんだよ。


「この期に及んで“別れない”だなんて、どういう神経してんの?」


栗山さんは、手で私の右肩をドンッと強めに押す。


その力で後ろによろけた時に、少し大きめの石を踏んでしまった私。


バランスを崩して、尻もちをついてしまった。


「私、転ぶほどの力は出してなかったのに~。伊織さんってば、リアクションが大げさ過ぎ。やっぱり、瀬ノ内君には伊織さんみたいな微妙な子は相応しくないわよ。」


クスクスと笑う栗山さん。


私はギュッと手で拳を作った。


「………確かに、私は…外見も中身もイマイチだし、栗山さんから見れば…劣るところは色々あると思う。でも、陽希を好きだっていう気持ちは、栗山さんにだって負けてないよ…。」


それぐらい、私にとって特別で大切な人なんだ…。


「だから、別れるのは無理…です。」


栗山さんの冷たい視線に圧倒されながらも、ハッキリと口にする。


その瞬間、栗山さんは思いっきり眉をしかめた。