振り向くと、そこにいたのは不機嫌そうな栗山さん。
鋭い視線に体が強張る。
「一人で何してたの?」
「ちょっとケガしたから絆創膏を貼ってただけ。栗山さんは…?」
「そんなの見れば分かるでしょ?キャンプファイヤーの消火用の水を汲んできたのよ。運営委員は、あなたみたいにヒマじゃないから。」
両手に持っていた水入りのバケツを荒々しく地面に置いた栗山さんは、私をギロリと睨んだ。
「んで、伊織さん…私との約束はちゃんと守ってくれたんだよね?瀬ノ内君とは別れたんでしょ?」
重苦しい空気に息が詰まりそうになりながらも、首を横に振る。
「わ、別れてない…。そんな約束をした覚え…ないから。」
おそるおそる口にすると、栗山さんの表情が更に険しいものへと変わった。
「は!?何言ってんの?伊織さんには不釣り合いなんだから、ちゃんと別れなさいよ。」
「そんなの無理…」
「だったら、今日中に言えばいいじゃん。まだ時間はあるんだし。」
「……絶対に嫌。別れるなんて、言わない…!」
思わず感情が高まって、叫んでしまった私。
いきなり大きな声を発したためか、栗山さんも目を見開いた。


