「あの、陽希とは同級生とか…ですか?」
「いや。学校も違うし、全く知らない人だよ。だけど、最近…亜季菜の話によく登場する男の名前だから、覚えてたんだ。」
「それって、要するに…栗山さんから私たちのことを聞いたってことですよね?」
「違う違う!亜季菜の話ってのは、キャンプの運営委員のこと。桜瀬高の男子で一目惚れした人がいるって言っててさ。それが瀬ノ内 陽希。君が彼女だとか、そんな話は一切聞いてないよ。」
そういう意味か…。
「だったら、どうして私と付き合ってる人が陽希だと思ったんですか?」
「さっき俺が声を掛けた時に、君がお友達と耳打ちで何か話してたろ?その際に“陽希”って言ってたのが聞こえたんだ。だから、その人が彼氏なのかな…って。」
それだけで推測するなんて……。
鋭い人だな…とビックリしていると、男の子は苦笑いした。
「まあ、それを聞き逃してたとしても…君が彼氏いるって言った時点で、俺は…その相手が瀬ノ内 陽希じゃないかって察したと思うけどね。」


