「だから、余計に頭にくるんだよ…栗山さんの行動が。」
「栗山さん、陽希のことが好きになっちゃったみたいなんだ。私に“本気で頑張る”って言ってたし…。」
「なっ、何それ!完全なる略奪宣言じゃない!」
興奮して声のボリュームが上がる恵理子。
周りの席に座っているお客さんの視線が、一斉に私たちに集まった。
「ちょ、ちょっと!声が大きすぎるってば!もっと抑えて…!」
「ごめん、つい…カーッとなっちゃった。」
恵理子は周りを見回した後、恥ずかしそうに苦笑いを浮かべた。
「私、栗山さんから陽希が好きになったことを聞いた時、驚いたし…戸惑った。どんな行動に出るのかな…って不安も感じた。最近、放課後に栗山さんと鉢合わせするのが憂鬱なんだ…。陽希に話し掛けようとするのを見るだけでも、胸が苦しくなるの…。」
「そりゃそうだよ。好意を持って堂々と近付いてくる女に対して、いい気持ちはしないって。」
ウンウンと頷く恵理子。
抱えていた気持ちを話しただけで、心がフワッと軽くなったように思えた。


