俺は、お前がいいんだよ。


「ん、何…?」


途中で言葉を止めた陽希は、クシャクシャと頭を掻いた。


「あ、いや…その先は言うの止めとく。俺は誠と違って、そんなに大人じゃねぇし。」


「えっ、どういう意味!?」


何がなんだか分からない…。


不思議に思っていると、陽希は私の頭をフワフワと撫でた。


「何でもない。俺たちも帰ろ?」


「う、うん…。」


疑問を頭に残したまま、雨が降る道を歩き始める。


「カラオケ、本当に行かなくても良かったの?」


「もちろん。俺以外にも都合悪くて参加しない人もいたし。別に、あの女たちが勝手に提案したことであって義務じゃないから、出なくたって平気だよ。」


「そっか……。」


確かに、苦手なのに無理して参加することもないもんね…。


「…んで、さっき…アイツらが由依に話してたのはカラオケのことだけ?他には何も言われなかった?」


「わ、私よりも栗山さんの方が陽希にお似合いだって、一緒にいた女の子に言われたぐらいだよ…。」


「あの女たち、本当にムカつく。そんなこと、由依に向かって言う神経が理解出来ねぇ。」


陽希はグッと眉間にシワを寄せた。