俺は、お前がいいんだよ。


「そ、そうなんだ…。それなら、無理に盛り上がらなくてもいいから、一緒に……」


切実に訴える栗山さんの言葉を遮って、柏木君は苦笑いしながら口を開く。


「ごめんね。陽希は、伊織ちゃん以外の女の子に全くと言っていいほど興味がないんだ…。どんなに誘ってもコイツは揺るがないよ。」


黙り込む栗山さんたちに、柏木君は柔らかく微笑んだ。


「陽希を誘うのは諦めて、カラオケ行こう?親睦、深めるんでしょ?俺は参加するから。」


「う、うん…。柏木君がそう言うなら……」


栗山さんたちは傘を差しながら、柏木君の隣に並んでスタスタと歩いて行く。


振り返った柏木君は、私たちに笑顔で軽く手を振った。


「だ、大丈夫かな…柏木君。」


きっと、私と陽希が帰れるように…って優しく気遣ってくれたんだと思うけど…


女の子たちと接する時は愛想笑いだ…って前に言ってたし…。



「……誠は大丈夫。」


「えっ…?」


「アイツは女を見る目あるし、俺よりも考え方が大人だから。カラオケ参加するのも、本当は……」