俺は、お前がいいんだよ。


「アンタら、由依に何言ったわけ?」


低い声に、栗山さんたちは驚きながら口を開く。


「こ、これから運営委員のみんなでカラオケに行くことを話しただけだよ?ミーティングが終わった後、教室でそういう話になったでしょ?」


「そんなの、アンタらが勝手に言い出したことじゃん。俺は参加するなんて一言も言ってない。」


「えっ、でも…運営委員同士の交流だって大事だと思うし…」


「だったら、行きたいヤツだけで行けばいいだろ?俺は帰るから。」


キッパリ断る陽希に、栗山さんたちはつまらなそうな表情を浮かべる。


「瀬ノ内君が参加してくれたら、盛り上がると思うんだけどなぁ…。ね、紘子。」


「うん。私たちに限らず他の人だって瀬ノ内君ともっと絡みたいって思ってるよ!」


粘る二人に眉をしかめる陽希。


不機嫌オーラをヒシヒシと感じていると、柏木君が私たちのところに近付いてきた。


「あ、君ら…陽希を誘ってもムダムダ。コイツ…もともとカラオケとかで賑やかに騒いだり盛り上がるの苦手なタイプだから。」


陽希の肩にガバッと手を回して笑顔を見せる柏木君。


ピリッと冷たくなっていた空気が少し穏やかになった。