「久しぶり…ってほどでもないか!3日ぐらい前に会ったもんね。」


駆け寄って来た栗山さんはニコッと笑顔を向ける。


どうして、私たちの学校の中に栗山さんがいるの…?


状況が飲み込めず、疑問符が頭の中に浮かぶばかり。


そんな私たちの雰囲気を察したのか、栗山さんは少しソワソワしながら口を開いた。


「あ、驚かせちゃってごめんね…。今日は、合同キャンプの運営委員のミーティングに来たの。職員室に行ったら、この1学年の教室のある場所を教えてくれたんだ。」


「えっ、栗山さん…運営委員なの!?」


「うん!だから、この前…高校の場所を事前に確認しようとして、偶然会った伊織さんたちに道を聞いたの。」


そうだったんだ……。


驚きを隠せずにいると、栗山さんの視線が陽希に向けられる。


「さっき、瀬ノ内君と同じクラスだ…っていう男の子たちから聞いたんだけど、瀬ノ内君も運営委員なんだね!私、ビックリしちゃった…!」


声を弾ませながら顔を綻ばせる栗山さんに、陽希は素っ気なく溜め息を零した。