俺は、お前がいいんだよ。


可愛らしい女の子の声。


振り向いた視線の先に立っていた人に、私はビックリして目を見開いてしまった。


「栗山さん……。」


なんで、こんなところに…?


状況が把握出来なくて固まっていると、栗山さんは笑顔で私たちのところに駆け寄って来た。


「そこのコンビニで買い物してたら、陽希君と伊織さん…らしき人たちが通り過ぎて行くのが見えたから、思いきって呼んじゃった…!良かった、人違いじゃなくて。」


栗山さん、制服姿だ…。


私たちの通う桜瀬高校のものじゃないけど、ここで会ったってことは、つまり……。



「あ、あの…栗山さんって、中学の時に転校した後、こっちに戻って来たの?」


「うん!お父さんの仕事の都合でね…。でも、私…音楽科のある高校に進みたかったから、良かったな…って思ってるんだ。」


「えっ、それじゃあ…通ってる高校って……」


「月沢芸術大学附属高校なの。」


栗山さんは柔らかく微笑んだ。