「あ、あの人たちのことは…もう気にしてないよ…。」


「本当に?」


「うん…。それが理由じゃないんだ…。」


浮かない顔をしてた真実を素直に言ったら、陽希にムッとされるかもしれない。


いや、もしかしたら…悲しませるかも。


でも、こんなに心配してくれてる陽希に対して、何も打ち明けないままで終わりっていうのは、違う気がする。


隠すのは、もっとダメだ…。


ちゃんと言おう…。


私は、陽希の目を真っ直ぐ見つめた。


「さっき、“別れた方がいい”って男の子から言われてたでしょ?あの時、私…胸がザワザワして怖かったんだ。夢が現実になるんじゃないかと思ったの…。」


「えっ…」


「実は、前に見た嫌な夢に…陽希も出てきたんだ。夢の中で、同じようなことを男の子たちが陽希に言っていて、陽希は私と別れようとしてた…。」


「…………」


少し驚いた表情を浮かべる陽希に、言葉を続ける。