「結構、並んでるな。」
「…すごいね。」
さすが美味しいって評判のお店だけある…。
思わず感心してしまうぐらい、クレープ屋の前は長蛇の列になっていた。
「時間掛かりそうだし、他の食べ物にしよっか。陽希、甘いものじゃない方がいいでしょ?」
「でも、この店…サラダとかフード感覚のクレープメニューもあるらしいから、俺は…それを食べてみようと思って。」
「そ、そうなんだ…。」
「せっかく来たんだし、美味しいクレープ…食べようぜ?」
列の最後尾に並ぶと、陽希は柔らかい笑みを浮かべる。
「ありがとう…。」
温かい優しさに頬を緩めながら、順番を待ち始めた。
陽希と会話をしながら、少しずつ前に進んでいく列に胸を踊らせる。
私たちが注文出来るまで、もうちょっと…という時だった。
「……陽希。」
トイレに行きたくなってしまった私。
人目を気にしながら、名前を呼んだ。


