「もしも、陽希と付き合うのがイヤになったら、その時は…俺にしときなよ。ね?」
「えっ!?」
瞬きをしながら驚いていると、陽希は即座に柏木君の手を掴む。
「由依に触れるな。つーか、お前…まだ由依のこと諦めてねぇの?」
硬い声が響いた。
「振られたけど、好きになった気持ちは直ぐには消せねぇよ。だから、この先…陽希が伊織ちゃんを悲しませるようなことがあったら、俺…奪うかもよ?」
「………。」
陽希の目つきが鋭いものへと変わる。
「絶対に、悲しませたりしない。」
力強い声に胸がドクン…と高鳴った。
「……そう言うと思った。だって…溺愛してるもんな、伊織ちゃんのこと。」
「ああ…。悪いか?」
「いや、全然。」
掴んでいた柏木君の手を離した陽希は、クシャクシャと頭を掻く。
頬が少し赤く染まっていた。


