俺は、お前がいいんだよ。


「あの時は、ありがとう…。」


「えっ…?」


「柏木君が背中を押してくれたから、私…告白することが出来たんだ…。勇気出せなくて踏みとどまってた心を奮い立たせてくれたの…。本当に、ありがとう…。」


あの日、柏木君と話してなかったら…未だに陽希に“好き”って言えずにいたかもしれないから…。


「いや、頑張ったのは伊織ちゃんであって、俺は何もしてないよ。気持ちを伝えることが出来て、良かったね…。」


「うん……。」


胸がジーンと熱くなるのを感じながら頷く。


笑顔を向ける柏木君を見ていると、陽希に横からグイッと肩を抱かれた。


「由依、誠のこと…見過ぎ。」


「えっ…」


少し不機嫌そうに眉をしかめる陽希。


なんか、怒ってる…?


不思議に思っていると、柏木君がプッと吹き出すように笑った。


「お前、相変わらず伊織ちゃんのこととなると嫉妬全開だな。」


「当たり前だろ。」


「でも男と話すだけで、いちいち妬いてたら伊織ちゃんに愛想つかされるかもよ?」


「…………。」


言葉に詰まる陽希にフッと笑った柏木君は、私の頭をポンポンと撫でた。