「俺、普段…他の女の子たちと話す時は、愛想笑いしてるんだよね。」
「えっ…?」
パンを一口食べた柏木君。
私を見て苦笑した。
「俺と会話したくて近寄って来る女の子たちを、冷たくあしらうのも悪いかな…とか思って、楽しそうな雰囲気を演じてるだけ。」
「そっか…。」
柏木君は柏木君で、色々と大変なんだな…。
パンを食べ進める姿を隣で見ながら、口を開いた。
「………柏木君、とても優しいんだね。」
「俺が…?」
「うん。だって…女の子たちの気持ちを考えて、笑顔を見せてるんでしょ?私は、今まで男の子に対して素っ気ない態度ばかりとってた。愛想笑いですら無理だったし。」
「まあ、それは伊織ちゃんの魅力の一つでしょ。」
「ち、違うよ!!」
即行で否定した私はコホンと咳払いをする。
「私のことは置いといて、柏木君…もっと息抜きすればいいんじゃない?」
「えっ、息抜き…?」
柏木君は驚いた様子で瞬きを繰り返した。


