俺は、お前がいいんだよ。


なに、このドキドキは…。


心臓の音が大き過ぎて周りに聞こえちゃいそう…。


胸元を軽く擦った。


「あのさ、俺のことも“陽希”でいいから。“瀬ノ内君”だと、なんか…少しよそよそしく感じるし…。」


「あ、うん…。」


瀬ノ内君を名前で呼ぶのか…。


今まで男の子の名前なんて呼んだこと無いから抵抗あるな…。


とりあえず、一度…口に出してみよう…。



「……陽希…」


ポツリと小さな声で呟く。


たった一言なのに、顔が熱くなった。


名前を呼ぶのって、こんなにドキドキするものなの…!?


単に慣れてないから戸惑ってるだけかな…?


も、もう一度だけ……。


「…陽希。」


さっきと同じように呟く。


鼓動が加速するのを感じていた時だった。


「今、俺の名前…呼んだ?」


「えっ!?」


陽希に横から顔を覗き込まれた私は、ビクッと体を震わせる。


絶対に聞こえないと思ってたのに…。


心臓が止まりそうなほど驚いてしまった。