俺は、お前がいいんだよ。


「んじゃ、学校…行くか。」


「うん…。」


学校に向かって歩き出す私たち。


普通に歩いてるつもりなのに、緊張で少しぎこちなくなる。


なんだか落ち着かなくて、瀬ノ内君をチラリと見ると、目がバチっと合ってしまった。


「どうした?」


「あ、いや…えっと……」


こういう時は、どう切り返せばいいのか分からないよ。


何か話すことないかな…。


必死に頭の中で考えを巡らせる。


「由依…?」


「あっ、それ!!」


「ん?」


いきなり声が大きくなった私に、瀬ノ内君は不思議そうに瞬きを繰り返した。


「さっきから思ってたんだけど、私の呼び方…。連休中に会った時と違うから、どうしてかなと思ってたんだ…。」


気になってた疑問を訊ねると、瀬ノ内君は少し照れくさそうに頭を掻く。



「…名前で呼びたいんだよ。」


「えっ…」


「由依は…他の女とは違って、特別な存在だから。」


途端に波打つ鼓動。


真っ直ぐな視線に耐えきれず、瀬ノ内君から思わず目を逸らした。