カフェには黒豹と王子様がいます

 その瞬間。

「優!バカ!なにやってるの!」

 突然あらわれた女の子が、徳永さんの腕をつかんで引っ張った。

 私の体から徳永さんが離れ、私は壁を伝ってへたり込んだ。

「大丈夫?ごめんね」

 心配そうに私を見るその女の子は、徳永さんをどんと押した。

 徳永さんは笑っている。

 抵抗もぜず、地面に座り込んだ。

「優……。あたしが大っ嫌いだった時の優に戻らないで」

「……じゃあ、今日子でもいいよ。なぐさめてよ」

 手を伸ばす徳永さんの手をひっぱたく女の子。

「痛いな」

 くっくっくと笑って女の子の腕をつかむと、強引に引っ張った。

 女の子はその強さに負けて、徳永さんの胸に倒れこむ。

 徳永さんはその子を強く抱きしめた。

「今日子……今日子……」