☆☆☆ どれくらい、時間がたったのだろうか? 私は、重たい瞼を、ゆっくり開いた。 そして、言葉に出来ない、恐怖が襲って来た。 いない。 いない。 隣に彼が、いない。 どこに行ったの。 どこへ消えたの。 私はベッドから立ち上がり、辺りを見渡す。 いない。 イナイ。 彼ガ、イナイ。 私は夢遊病患者のように、ふらふらと部屋を出て行った。 いなくならないで。 いなくならないで。 私を、独りにしないで。