いいもんねー。あたしアイス食べてるし。
煌の言われた通り、梅干しアイスを口に入れて堪能する。
と、その時、視界に入ったのは彼方の姿。
……あらま。
よく見ると、の鼻の下が赤くなっていて可哀想な事に。
あーあ。彼方は顔が命なのにね。
「鳳皇だけでいく」
「オイオイ、いけんのかよ」
十夜と煌の会話に聞き耳を立てながら、彼方をちょいちょいと手招き。
すると、彼方は不思議そうな顔をしながら顔を寄せてきた。
手が届くとこまで来ると少しだけ身を乗り出して「まだ痛い?大丈夫?」と頭を撫でてあげる。
すると、彼方はパァと満面の笑みを浮かべ、あたしに向かって両手を大きく広げてきた。
「りっちゃん!大丈──イテッ!」
迫ってくる彼方の後頭部に落とされたのは、十夜のゲンコツ。
ちょ……!
「十夜!さっきから何!?アイスあげてないじゃない!」
抗議の声を上げれば、またもやツンッとそっぽを向かれて。
「いや、凛音そこじゃねぇだろ……」
同時に、陽から苦笑混じりの突っ込みが炸裂。


