「……いつだ?」
「暴走の後だ。まだ決まってねぇ」
真剣な面持ちで話を進める煌と十夜を眺めながら、アイスをもう一口口に入れる。
「……っていうかさ、黒烏って誰?」
あたし、さっぱり分かんないんだけど。
「え、りっちゃん昨日そいつ等に攫われそうになったんじゃねぇの?」
「ん?」
攫われそうになった?
って、
「あぁ!アイツ等の事ね!」
そう言えばそんなチーム名だった気がする。
基本、どうでも良い事は覚えないあたし。
正直、顔もハッキリ覚えてないし。
覚えてると言ったらあの趣味の悪い髪色ぐらいだ。
「なぁなぁりっちゃん。そのアイス一口ちょうだい」
「えー、仕方ないなぁ。特別だからね!」
雛鳥のように口を開ける彼方に「あーん」とスプーンを持っていく。
すると。
「……あ」
あともう少しという所で背中を押され、スプーンが彼方の鼻下に直撃した。
「ってぇ!てか、すっぱ!」
スプーンから垂れたアイスが口に入ったのか、コントかと突っ込みたくなるほど目をシパシパさせる彼方さん。
……っていうか。
「今、背中押したの誰!?」


