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「凛音ちゃん、着いたよー」

「はーい」



寝ていたとは思えない程パッチリ目を開けたあたしは、返事をするや否や勢いよくドアを開けて外に出た。


そして、学校へ向かって猛ダッシュ。



「オイ!!」


背後から煌の呼び止める声が聞こえたけど無視。


だって、誰に見られてるか分からないもんね。





校門近くまで行くと、壁に凭れながらスマホをいじっている陽の姿が見えて。


「陽ー!!」


「……え?凛音?」



猛ダッシュで近付いてくるあたしを見て目を真ん丸にして驚いている陽。



「おはよー!」



そんな陽に近寄って行き、陽の手を取って「早く早く!」と急かす。



「おはよー、って、え?十夜達は?」



歩みを進めながら、あたしと後ろに居る十夜達を交互に見る陽。



「いいから!早く行かないと大魔王と悪魔に殺られる!」



数十メートル先に居る筈なのに、此処まで伝わってくる十夜と煌の眼力。



「り、凛音……」



その眼力はどうやら陽にも伝わったらしく。



「陽」

「お、おう」


「逃げよう!!」

「逃げよう!!」



手を繋いで、ダッシュで校舎の中へと駆け込んだ。