「テメェ待てや!!」
背後から制止の声が聞こえたけれど、そんなもの無視。
「なっ……!?」
千暁くんまであと数メートルと近付いた時、ようやく千暁くんを殴っていた一人の男があたしの存在に気が付いた。
けれど、今更気付いたところでもう遅い。
「──退いて」
振り返った男の腹部を蹴り飛ばし、その横に居た男の襟元を掴んで思いきり引き寄せる。
「おま──!」
やっと気付いた男はそのまま後ろへと倒れ、地面に倒れる直前で下から掬い上げる様に蹴り上げた。
──二人、完了。
「……っ、何でお前が……!?」
異変に気付いた男達があたしの方を振り返った。
「千暁くんから離れて」
そう言ってジリジリと距離を詰めれば、男達はギリッと唇を噛み締めながら一歩後退した。
けど、千暁くんの前から退こうとはしない。
「退けっつってんでしょ!」
一向に退こうとしない男達に怒声を浴びせて、手前に居た二人の男の肩を同時に掴む。
そして、引いた勢いで再び押し戻した。
「ゥグッ……」
「……ッ」
派手な音を立ててぶつかった二人。
そのまま地面に転がり、その間を突き進む。
──三人目、四人目、完了。
「テメェ!!」
後ろ。
背後へと回り込んでいた男を視界の端に捉え、直ぐ様地面を蹴る。
飛んだ所で身体を半回転させると、男の肩目掛けて回し蹴りを食らわせた。
──残り、あと二人。


