「凛音さん!!」
「千暁くん……」
こっちに向かって走ってくる千暁くんはどうやら一人らしく。
「来たら駄目!!」
直ぐ様ストップをかけた。
「なっ……!」
あたしの叫び声に立ち止まる千暁くん。
何で千暁くんが此処に居るの?
こんな所に居たら千暁くんまで……。
「さっき、凛音さんを見かけたんですけど見失って……。助けに来るの遅くなってすみません」
「千暁く──」
「はぁ?助けに来る?ハッ。一人でどうにかなると思ってんのかよ」
馬鹿にした様に鼻で笑い、そう吐き捨てる赤髪の男。
千暁くんはその言葉に無言で睨み返した。
「何だよその目は?殺られてぇのか?」
千暁くんの睨みが気に食わなかったのか、声を張り上げる男。
それと同時に掴まれていた手の力も強くなって顔を顰めた。
………コイツ。
このままじゃ千暁くんが……。
「やめて。何する気?千暁くんは関係ないでしょ!」
男が何をしようとしているのか察したあたしは、それを阻止しようと叫んだ。
けれど、男はそれを聞き入れず。
「やめ……っ!」
「──やれ」
ニヤリと笑った後、下っ端達にそう指示を出した。
男の一言で千暁くんに向かって襲いかかる黒烏の下っ端達。
「やめてっ!!」


