誰、コイツ。



十数人の男達を背後に従え、ゆっくりと近付いてくる一人の男。



何処かのチームのボスだろうか。


見るからに不良オーラを纏っている男は背が高く、ロッカーかと突っ込みたくなるぐらい真っ赤な髪色をしていた。



うっわー、あたし、その色無理。






「誰、アンタ」



今、アンタ達と遊ぶ気分じゃないんだけど。



「俺等は黒烏(コクウ)」


「こくう?」



聞いた事のないチーム名。


……って、あ、もしかして。



「最近鳳皇に世話になってんだよね、俺等」



やっぱり。


思った通りだ。


最近鳳皇にちょっかい出してきてたのはコイツ等だったんだ。



っていう事は、今日のも?


だとしたら、あたしが鳳皇と関わってる事は絶対にバレちゃいけない。



「……一体何の事言ってるの?あたし、全然分からないんだけど」



これ以上十夜達に迷惑を掛ける訳にはいかない。





「へー、鳳皇のお姫様は気が強いんだな」


「………」


「まぁ、とぼけるのも無理はねぇか。あれだけ厳重にロックかかってるんだもんな。素直に認めねぇか」



厳重にロック?何の事?



眉を潜めて訝しげに男を見れば、ニタリと笑みを深め、歩み寄ってくる男。