見るからに悪そうな男達だけど、一応返事はしておく。



「ちょっと来てくれない?」


「やだ」



なんであんた達みたいな悪そうな奴に着いて行かなきゃいけないの?



「そう言わずにさ」



うざ。



笑顔振り撒いてるくせに、腕を掴む力、半端なく強いんですけど。



コイツ等、絶対ナンパじゃない。


多分、族関係の人間だ。




っていうか、何であたしが狙われてるの?


鳳皇と関係があるってバレてない筈なのに。




「離してよ!あたし帰るんだから!」



とにかく、コイツ等から逃げないと。



そう決めるや否や、あたしは掴まれた腕を思いっきり引き寄せた。


──けど。



「帰る前に着いてきて欲しい所があるんだよね」


「ちょ、」



あたしの返事も聞かずに勝手に歩き始める男。



「ちょっと!あたし行かないって言ってんでしょ!?離してってば!!」



腕を引っ張って抵抗するけれど、それは男にとって逆効果だったらしく。



「……チッ」



男は舌打ちをした後、隣に居た男達に「大人しくさせろ」と指示を出した。



男達は直ぐ様あたしの両脇に立ち、腕を掴んでくる。



「離して!行かないって言ってんでしょ!」



半ば引き摺られるようにして連れて行かれるあたし。


自由が利く足で蹴り飛ばしてやろうかと思ったけど、引き摺られているモンだから上手くいかずに断念。


気付いた時にはもう目的地まで連れて行かれていて。



「──待ってたぜ。鳳皇のお姫様」



あたしを出迎えたのは見知らぬ男だった。