「嫌だ……。行くなよ。行くなよ凛音!!」
「……っ、」
陽から投げ掛けられたその言葉にピタリと足が止まる。
「何で……っ、俺達親友だって言っただろ!?親友を置いて行くのかよっ!!」
……っ、陽……。
陽の悲痛な叫びに、堪えていた涙がポタポタと零れ落ちる。
陽……、陽、ごめんね。
本当にごめん。
親友だって言ってくれたのに、仲間だって言ってくれたのに、ごめんっ。
「……っぅ、」
今、陽の顔を見たら行けないから。
だから、絶対に振り返らない。
「なんでっ……!凛音!何でだよっ!!」
再び歩き出すあたしに陽の悲痛な叫声が突き刺さる。
「りっちゃん!!」
突然彼方の呼ぶ声がして、再びその場で立ち止まった。
「りっちゃん!『一人でも欠けたら駄目』って言ったのはりっちゃんだからな!!」
「……っ!」
──それは、黒烏に追い掛けられた時あたしが彼方に言った言葉。
「凛音ちゃん!!俺は“鳳凰妃”の事諦めてないからね!!」
壱、さん……。
“俺等、凛音ちゃんが鳳凰妃になってくれるの待ってるから”
──あの時の言葉が、脳裏に蘇る。


