Ri.Night Ⅱ



本当はこの手を振り払って十夜の元へ行きたい。


皆の元へ帰りたい。



けど、それは出来ない。


もうこれ以上皆に隠し事出来ないから。


もう、騙したくないから。



貴兄と優音にもこれ以上哀しい想いをさせなくない。


だから、離れるって決心した。


これは自分で決めたこと。





「凛音……」


「──優、行くぞ」


優音の所まで戻ってくると、貴兄は優音に声をかけてそのまま止まる事なく歩いていく。



「ちょっと待って。お願い」


無理矢理足を止めて、掴まれてる腕を手前に引き寄せる。


そんなあたしを肩越しに見下ろした貴兄は、掴んでいたあたしの腕をそっと離して背を向けた。


貴兄、ありがとう。





その場で振り返って、数メートル先に居る十夜達を見つめる。


何故だろう。


直ぐ傍に居るのに十夜達が物凄く遠く感じる。


手を伸ばしても絶対に届かないような、そんな奇妙な感覚があたしを襲う。




「……皆、ごめんね。一緒に帰れなくてごめん。自分勝手で本当にごめんなさい」



口から出るのは、そんなありきたりな謝罪の言葉。


でも、これがあたしの本心なんだ。


皆への最後の言葉。




「……迎えに来てくれてありがとう」


「……っ、」


「助けに来てくれて、ありがとう」



駄目だ。泣いちゃ駄目。



「今まで、仲良くしてくれてありがとう」



そう思うのに、視界がユラユラ揺れて十夜達の姿がハッキリ見えない。