Ri.Night Ⅱ




「やめて!やめて二人共!!」



どんどんエスカレートしていく二人の喧嘩。


その激しい攻防に誰も手を出すことが出来なかった。


目にも止まらぬ速さで繰り出される拳と、それを回避するしなやかな身体。


無駄のないその動きに、見ている者達は喉を鳴らさずにはいられなかった。




「やめ──」


「アイツ……」


止めようとするあたしの言葉を遮ったのは優音の声。


見上げれば、優音は険しい表情で二人を見ていて。


その鋭い視線に今、優音が考えている事が分かった。


優音は多分、十夜の強さに驚いてるんだと思う。



S県では“敵無し”と言われている獅鷹総長。


その獅鷹総長を優音はずっと見てきた。


だから、信じられないんだろう。


獅鷹総長と同等に戦うという事が。




けど、今は十夜の強さに感心してる場合じゃない。


早く二人を止めないと。


あたしはこれ以上二人に喧嘩して欲しくない。


この喧嘩が自分のせいだって分かってるから余計に。






「止めとけ」


「……っ!」


駆け出そうとするあたしを、逃がさないと言わんばかりに抱き締める優音。



「離して!止めなきゃいけないの!二人を止めなきゃ!!」



こんな所で傍観してる場合じゃないの!


誰かが止めなきゃいつまで経っても終わらない。


二人の力を見たのなら優音も分かってる筈だ。


それなのに何で止めようとしないの!?