Ri.Night Ⅱ



離れたくない。

離れたくないよ。


十夜と離れたくない。



心の中でそう呟けば呟くほど十夜への想いが膨らんでいって、胸が締め付けられる。



苦しいよ。

苦しい。



あたしはこれから、こんあな“想い”を抱えていかなきゃいけないの?


この想いを心の奥底に閉じ込めておかなきゃいけないの?



そんなの、あたしに堪えられる……?





「……っ」



ううん。違う。

耐えなきゃいけないんだ。


これは自分が決めたこと。


貴兄にバレたら大人しく帰るって、鳳皇と獅鷹の関係を知った時自分で決めた事なんだ。



だから。



「ごめんね……」



零れ落ちそうになる涙を必死で堪えながら、皆に謝罪の言葉を伝える。



──別れる前に言わなきゃいけない事がある。




“助けに来てくれてありがとう”


“貴兄達の事、隠しててごめんなさい”


“一緒に帰れなくてごめんなさい”


“今まで、ありがとう”



沢山の“ありがとう”と“ごめんなさい”が頭の中で渦巻いて。


それを皆に伝えようと口を開くけど、唇が震えて何も言えない。



きっと、心のどこかで分かってるんだと思う。



謝れば謝るほど、皆から遠ざかって行くことを。




でも、それでも言わなきゃいけない。


十夜達と、鳳皇と“さよなら”する為に。







「あたし──」


「凛音、来い」




消え入りそうなあたしの声を遮ったのは、十夜の力強い声と漆黒の瞳。


その輝きに満ちた瞳が、あたしを逃がさないとでも言うように捕らえた。