終止符を打ったのはあたし。
自分の手でボタンを押した。
自分の、手で───
「………っ」
泣くな。
こうなったのは全て自分のせいなんだから。
鳳皇に貴兄の事を言わなかったのも、
貴兄に鳳皇の事を隠していたのも、
全部自分が悪い。
ボタンを押し間違ったのはあたし。
貴兄に助けを求めたのはあたし。
二人は何も悪くない。
「り──」
「触んな」
「……っ」
「凛音に触んじゃねぇよ」
敵対心剥き出しのその声に、急激に加速する鼓動。
胸元をギュッと強く握って振り向けば、十夜を先頭に鳳皇幹部が此方に向かって歩いてきていた。
四人の鋭利な視線が貴兄と優音に突き刺さる。
それを見た瞬間、脳裏に夏祭りの光景がフラッシュバックした。
「それ以上こっちに来んじゃねぇ」
十夜達に怯むことなくそう吐き捨てたのは優音で。
貴兄を庇うように一歩前へ出たかと思うと、眼鏡越しに鳳皇幹部を睨み付けた。
「優」
「……分かってる」
優音は貴兄の呼びかけに返事するけれど、威嚇するのをやめない。
睨み合う両者。
飛び散る火花。
その光景は、あたしが一番見たくない光景だった。


