Ri.Night Ⅱ




「優、片付けろ」


「了解」



返事をするや否や掴んでいる腕を払い除け、前へと動いた優音。


「……っ」


ゴスッと鈍い音が響いて、男が膝を突いて真横に倒れる。


それを見届けた貴兄は、ゆっくりとあたし達の方へと歩み寄ってきた。



「凛音」


「……っ」


あたしを見つめる無機質な瞳。


その瞳に自分の末路を悟った。




……やだ。


嫌だよ。


嫌だ。




頭を振って力一杯拒否するけれど、頭の中では分かっていた。


その願いが叶う事はないと。


分かっていたけど、従いたくなかった。



あたしは皆と一緒にいたい。

十夜と一緒にいたい。


鳳皇にいたい。



でも、貴兄に知られてしまった以上、鳳皇には居られない。


行きたくないと言った所で、貴兄が受け入れてくれるとは思わないから。


だけど。



「凛音」



頭を振るのを止められなかった。


だって、止めたら行かなきゃいけないから。


皆と離れなきゃいけないから。



そんなの嫌だ。

行きたくない。


皆から離れたくない。


離れたくないよ……!