「……ハァ……ッ、陽っ……!」
「……り、の?お前……」
苦痛で顔を歪めながらあたしに向かって手を伸ばそうとする陽。
その痛々しい姿に涙が溢れて、ガクッと膝から崩れ落ちた。
「……っ陽、陽、ごめんね……」
陽の手を握って、覆い被さるようにそっと抱き締める。
陽、ごめんね……。
本当にごめん。
あたしが裏門に行こうなんて言わなかったら陽はこんな目に合わなかったのに。
「凛音……。お前のせいじゃねぇよ。……俺は、凛音が無事ならそれでいい」
「陽……ごめんね。ホント、ごめ……っ」
「……謝るなよ。な?」
「陽……」
「……凛音……一緒に……っ、あぶな……っ!」
「………え?」
そっと離れた陽が突然目を見開いてあたしに覆い被さってきた。
「陽!!」
直ぐ様起き上がって顔を上げれば、
「え?」
目の前には陽ではなく知らない男の人が立っていた。
「──誰に手出してんだよ」
「……っ!」
背中越しに聞こえたその声に息を呑む。
だって、その声は……。
「なんで……」
なんでこんな所に居るの?
─────優音。