Ri.Night Ⅱ






「──アイツは“物”じゃない」



再び暴れるあたしの耳に届いたのは愛しい十夜の声。


その声に誘われて振り向けば、力強い瞳が真っ直ぐあたしを貫いていた。





「凛音は渡さない」



「……決まりだな」



十夜の言葉を“OK”と捉えた中田は、そう言うとポキポキと指を鳴らし始めた。



「ちょっと……!!」


何勝手に決めてんの!?


あたしは中田の所になんか行かない!!


絶対に行かない!!




「オイ、凛音を向こうに連れて行け」


「はい」


「ちょ、離して!」


掴まれたままだった両腕を思いっきり後ろへ引っ張られ、鳳皇とは正反対の方向へと連れて行かれる。



「凛音!!」

「りっちゃん!」

「凛音ちゃ……!」



無理矢理引き摺られて行くあたしを見て、こっちへ走り出そうとする皆。


そんな皆を中田が止めた。



「止まれ!!じゃねぇとこっちも全員出すぞ!!」



その言葉にピタリと足を止め、悔しそうな顔で中田を睨むメンバー達。



「お前等下がってろ。すぐ終わらせる」



そう言った十夜は、中田の方へ歩き出した。



「十夜!!」



それを何とか止めようと力一杯叫ぶけど、十夜は振り向きもしなければ止まる事もせず、少しずつ中田との距離を縮めていく。


そして、中田から二、三メートルの所で立ち止まると、こっちを見て少しだけ微笑んだ。




「すぐ済む。大人しく待ってろ」